鳥取県視覚障がい者等の読書環境の整備の 推進に関する計画(第2期) 【改訂案】   目次 第1章 基本的事項 1 計画策定の趣旨 2 計画の位置付け 3 計画の対象 (1)対象者 (2)対象資料 4 計画の期間 第2章 鳥取県における読書バリアフリーの現状と課題 1 第1期鳥取県視覚障がい者等の読書環境の整備の推進に関する計画について (1)主な取組 (2)成果と課題 2 読書バリアフリーに関する現状 (1)社会のデジタル化 (2)関連する法律・計画の動き (3)計画の主な対象者数 第3章 計画の内容 1 基本的な方針等 (1)目指す姿 (2)基本的な方針 (3)計画の推進体制 (4)進捗の管理 2 施策の体系 3 施策の方向性と内容 (1)アクセシブルな書籍の充実 (2)障がいの有無、年齢に関係なく誰もが自分に合った書籍等にアクセスできるサービスの充実 (3)すべての人が読書を楽しめる環境の普及・啓発・ (4)指標 (参考資料) 用語集 第1章 基本的事項 1 計画策定の趣旨 「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(以下「読書バリアフリー法」という。)」が令和元年6月28日に公布・施行され、国において「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画(以下「国の読書バリアフリー計画」という。)」が令和2年7月14日に策定されました。これを受けて、本県では、図書館関係団体、障がい当事者団体、特別支援学校、点訳・音訳実施団体、行政機関等から意見を伺い、令和3年3月、全国初の「鳥取県視覚障がい者等の読書環境の整備の推進に関する計画(以下「県読書バリアフリー計画」という。」)」を策定しました。 従来から、本県では、障がいを知り共に生きる社会を目指して障がいの特性を理解し、その特性に応じた必要な配慮をするとともに、障がいのある人が困っている時にちょっとした手助けを行う「あいサポート運動」を展開したり、全国に先駆けて手話言語条例を制定するなど、さまざまな福祉サービスの充実に努めてきました。鳥取県立図書館(以下「県立図書館」という。)や鳥取県ライトハウス点字図書館(以下「ライトハウス点字図書館」という。)でも、図書館利用に障がいがある人を対象としたサービス、点訳資料などの提供等を行ってきました。これに加えて県読書バリアフリー計画の策定以降、県立図書館では、文字の拡大や音声読み上げができる電子書籍サービスの導入や図書館職員、点訳・音訳資料の製作ボランティアのスキルアップのための研修、「読書バリアフリー」に関する情報発信など、障がいの有無にかかわらずすべての人が等しく読書を通じて文字・活字文化の恩恵を享受することができる社会の実現に向けて取り組んでいるところです。 県読書バリアフリー計画の策定から5年の間に社会は大きく変化しました。例えば、令和4年5月には、「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律」(以下「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」という。)が公布・施行されています。さらに、令和6年4月からは、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(以下「障害者差別解消法」という。)の改正法が施行され、それまで努力義務だった民間企業における障がい者への合理的配慮の提供が義務化されるなど、障がい者の情報保障に関係する法律の整備が進みました。また、コロナ禍を経て、社会のデジタル化が急速に進展し、インターネットを利用して情報を受け取ることが当たり前になっています。 改めて「読書バリアフリー」の意義を考えると、限られた障がいを対象にするものではないことに気づきます。例えば、本県では高齢化率が30%を超えており、加齢による視力の衰え、図書館や書店への移動が困難になるなどのために、読書をあきらめ、心身の健康の維持に大切な知的活動が行えなくなる方が多数おられます。このほかにも様々な理由で読書に何らかの支援が必要になる方がおられると考えられることから、県読書バリアフリー計画の対象を見直す必要があります。 障がいの有無にかかわらずすべての人が生涯にわたって等しく読書を楽しめる社会の実現に向けて新たな歩みを進めていくため、県読書バリアフリー計画によるこれまでの取組の実施状況を振り返り、社会の変化や令和7年3月に改訂された国の読書バリアフリー計画を踏まえて計画の改訂を行います。 2 計画の位置付け 本計画は、読書バリアフリー法第8条第1項の規定に基づき、鳥取県における視覚障がい者等の読書環境の整備の推進に関する計画について定めるものです。 3 計画の対象 (1)対象者 ア 読書バリアフリー法第2条第1項において定義されている視覚障がい者等(視覚障がい者、読字に困難がある発達障がい者、寝たきりや上肢に障がいがある等の理由により、書籍を持つことやページをめくることが難しい、あるいは眼球使用が困難である身体障がい者等。なお、障害者手帳の所持の有無は問わない。)を本計画においても対象とします。 イ さらに、高齢、聴覚障がい、知的障がい、軽度認知障がい(MCI)・認知症などの理由により、紙に印刷された一般的な書籍による読書に困難があるすべての者を対象とします。 (対象に追加する主な理由) ・高齢になると、老眼や視力の低下により、もっと読書したくても、若い頃より読書量が減ってしまうことがありますが、大活字本といったアクセシブルな書籍等を選ぶと読書がしやすくなります。 ・聴覚障がいの場合、聴力を失った年齢や聞こえの程度によって、文字による文章の理解が難しい場合がありますが、その人にあったアクセシブルな書籍等を選ぶと読書がしやすくなります。 ・知的障がいの場合、その人にあった内容やアクセシブルな書籍等を選ぶと読書がしやすくなります。 ・軽度認知障がい(MCI)・認知症の場合、病状に応じ本人が楽しめる本やアクセシブルな書籍等を選ぶと読書がしやすくなります。 (2)対象資料 乳幼児期、青少年期、成人期、高齢期の各ライフステージにおいて必要とされる様々な種類の書籍を考慮しつつ取り組む必要があります。なお、読書バリアフリー法第2条第1項において、「書籍」には、雑誌、新聞その他の刊行物も含むこととしています。 4 計画の期間 令和8年度から令和12年度まで(5年間) 第2章 鳥取県における読書バリアフリーの現状と課題 1 第1期鳥取県視覚障がい者等の読書環境の整備の推進に関する計画について (1)主な取組 第1期の計画策定後、障がいの有無にかかわらずすべての県民が等しく読書を通じて文字・活字文化の恩恵を受けることができる社会の実現に向け、次に記載した基本的方針のもと、様々な読書バリアフリー関連施策を展開してきました。 〇基本的な方針 ア アクセシブルな電子書籍の普及及びアクセシブルな書籍の継続的な提供 イ アクセシブルな書籍等の量的拡充・質の向上 ウ 視覚障がい者等の障がいの種類・程度に応じた配慮 〇主な取組 ア アクセシブルな書籍等の充実 関係団体等と連携し、出版情報の共有や当事者等のニーズ把握に努めつつアクセシブルな書籍等の充実に取り組みました。 (県立図書館の蔵書と読書支援機器) ・大活字本、触る絵本、布絵本、LLブック、デイジー図書等のアクセシブルな書籍と録音図書やデイジー図書の再生機、拡大読書器や電子ルーペ、リーディングトラッカーなどの読書支援機器の購入を進め、活用しています。 ・県立図書館に来なくても利用でき、文字の拡大や音声読み上げ機能も使える電子書籍サービスを令和6年1月に始めました。なお、電子書籍サービスは、県立図書館の利用者カードがない場合も、市町村立図書館の利用登録者や県内の大学・高等学校・特別支援学校に在籍している方も利用することができます。 (ライトハウス点字図書館の蔵書と読書支援機器) ・県は、ライトハウス点字図書館のアクセシブルな書籍等の製作に助成を行いました。 ・ライトハウス点字図書館スタッフが点訳ボランティア、音訳ボランティアに指導を行いながら、点字図書や音声デイジーの製作を行ったり、県が発行する広報物を等の点字版・音声版を製作したりしています。 ・アクセシブルな書籍等や読書支援端末機器の貸し出しを行っています。 (市町村立図書館や学校図書館のアクセシブルな書籍等の充実への支援) ・県は、読書バリアフリー計画を策定した市町村へ読書支援機器の購入費を助成しました。 ・県立図書館やライトハウス点字図書館は、市町村立図書館や学校図書館の担当者からの相談に応じ、アクセシブルな書籍等について助言すること等により適切な選書などを支援しました。 イ アクセシブルな書籍等や読書バリアフリー関連サービスの円滑な利用のための支援 (視覚障がい者等への支援) ・県は、国の制度も活用し、音声ガイド機能が使えるスマートフォン・タブレット、拡大読書器等の購入経費を助成しました。 ・県は、ライトハウス点字図書館に情報支援員を配置して、当事者への読書の機会提供や県内の図書館、ボランティア団体との情報交換や研修を行いました。 ・県立図書館や市町村立図書館を会場にデイジー教科書の紹介を含めた「マルチメディアデイジー体験会」を行いました。これに併せて当事者の親の会とも連携して、読書困難のある児童生徒への支援の情報提供を行いました。 ・ライトハウス点字図書館、県立図書館は、市町村立図書館等から紹介があった方や読書に困難のある方から相談があった際、困りごとについて充分に聞き取って、読書支援機器の貸し出しサービス等を行いました。 ・読書バリアフリーフォーラムの開催や福祉機器展等での出前図書館の実施により、アクセシブルな書籍や読書支援機器について広く知っていただく機会を設けました。 ・認知症、視覚障がいの当事者と支援者に県立図書館で実際の施設やサービスの確認をしていただき、意見交換した結果、分かりやすい館内標示の追加や貸し出し票(レシート)等をより大きな文字で印刷する等の改善を行いました。このほか、デイジー図書や読書支援機器を紹介できるよう読書バリアフリーのコーナーを充実しました。 (市町村立図書館への支援) ・ ライトハウス点字図書館では、令和3年度から毎年、市町村立図書館を訪問して、視覚障がいの当事者のアクセシブルな書籍や読書バリアフリー関連サービスについての意見を伝えるなどの情報共有を行うことで円滑な利用を支援しました。 ・ライトハウス点字図書館では、市町村立図書館で「聞く読書の体験会」等を行い、地域の読書バリアフリーの推進を支援しました。 ・県立図書館は、市町村立図書館や学校での展示用に読書バリアフリーを紹介するパネルを作成し、アクセシブルな書籍等や読書支援機器とセットで貸し出しました。 ・市町村立図書館職員を対象に、アクセシブルな書籍や読書バリアフリー関連サービスの研修を行いました。 (学校・大学への支援) ・県立図書館は、学校からの希望を受けて、卒業を控えた特別支援学校の生徒・保護者を対象に、卒業後の公共図書館利用に向けた研修を実施しました。また、学校図書館職員を対象に、アクセシブルな書籍や読書バリアフリー関連サービス研修を行いました。このほか、県立図書館の学校図書館支援担当者は学校訪問を行い、特別支援学校の学校図書館担当職員の相談に応じるほか、必要な資料をセットして貸し出しを行っています。 ・ライトハウス点字図書館は、福祉・教育分野の大学生に向けて「マルチメディアデイジー」の講義を行いました。 さらに、大学図書館を訪問し、情報共有と障がい者サービスへの現状把握を行いました。 ウ インターネットを利用したサービスの提供体制の充実 (サピエ図書館) ・県立図書館は、市町村立図書館向け研修や訪問相談の際に、サピエ図書館の利用に関する不明な点等について情報共有を行ったほか、サピエ図書館のマルチメディアデイジーをダウンロードしたり、読書困難な個人利用者への貸し出し方法やサピエ登録館間の郵送によるデイジー図書の貸し出し方法等の質問について対応しました。 ・ライトハウス点字図書館は、サピエ図書館について不明な点等がある時はサピエ図書館事務局に問い合わせ、情報交換を行いました。 ・県立図書館やライトハウス点字図書館は、公共図書館と共催するなどして「マルチメディアデイジー体験会」等によりサピエ図書館のPRも行いました。来場していた読書困難な方の相談に応じ、サピエ図書館の利用に繋げました。 (国立国会図書館視覚障がい者等用データ送信サービス(みなサーチ)) ・ライトハウス点字図書館と県立図書館が連携して利用の働きかけを行った結果、県内すべての特別支援学校で、国立国会図書館視覚障がい者等用データ送信サービス(以下「みなサーチ」という)を利用できる環境が整いました。また、市町村立図書館への個別訪問や校長会等の機会を捉えて、みなサーチの説明を行い、市町村立図書館でのインターネットを利用したサービスの導入も進んできました。 (その他) ・国立国会図書館やサピエ図書館の案内も加える形で県立図書館の読書バリアフリーに関するリーフレットを改訂し、関係機関・団体へ配布しました。 エ 特定書籍・特定電子書籍等の製作支援の推進 ・ ライトハウス点字図書館によるサピエ図書館との情報交換、マルチメディアデイジー製作についての研修等により、特定書籍・特定電子書籍等の製作を支援しました。 ・ 点字図書やデイジー図書等の特定書籍及び特定電子書籍の製作に関する課題、地方出版物のデジタル化等について、地域の出版社と県立図書館、ライトハウス点字図書館とで意見交換を行いました。 オ 視覚障がい者等へ機器等の利用方法習得支援 ・ 県では、視覚障がい者等向けのICT機器の使用研修や発達障がい等の当事者・支援者向けにマルチメディアデイジーの使用等に関する研修会を行いました。 ・ ライトハウス点字図書館は、 読書困難な対象利用者に支援機器を貸し出した後にも定期的に利用状況等を確認し、その後のフォローアップを行っています。 ・ 県立図書館で関連資料の展示や出前図書館を行い、視覚障がいの当事者と支援者に読書支援機器や電子書籍の体験の機会を提供しました。 ・ 利用者からの個別の相談や問い合わせ等に対し、読書支援機器の習得支援や機器貸し出し等を行いました。 カ 製作人材・図書館サービス人材の養成 (製作人材) ・ ライトハウス点字図書館は、点訳・音訳ボランティア養成講習会を通じて人材の育成や活動の支援、アクセシブルな書籍製作についてPR活動を行い、ボランティアの育成に努めました。 ・ ライトハウス点字図書館は、市町村立図書館等から依頼を受けて、職員を対象に「マルチメディアデイジー」の研修等を実施しました。ライトハウス点字図書館は、地域の点訳・音訳ボランティア団体と密に連絡を取り、分からない点等がある時には、指導を行ったり、スキルアップ研修等を実施したりしました。 ・県立図書館は、市町村立図書館実務担当者の連絡会を実施し、デイジー図書の製作を行っている市町村の情報を共有しました。 (図書館サービス人材) ・県立図書館は、市町村立図書館職員や学校図書館関係者等を対象に読書支援機器等の使用方法をはじめとした障がい者へのサービスに関する研修等を開催し、読書バリアフリーの考え方やアクセシブルな書籍等について普及を図りました。 ・県立図書館職員はスキルアップのための研修を受講し、他県の取組や新たな端末機器の情報収集を行いより良いサービスの提供に努めました。 キ 指標の達成状況(令和7年8月末現在) 区分、指標、計画の期間、目標の順に読み上げます。 「視覚障がい者等による図書館の利用に係る体制の整備等」関連 県立図書館のアクセシブルな書籍等 所蔵数 令和3年度17,428 令和4年度17,674冊令和5年度17,995 令和6年度18,563 令和7年度18,690 目標18,500 県立図書館のアクセシブルな書籍等 年間貸し出し冊数 令和3年度19,047 令和4年度16,541 令和5年度16,858 令和6年度18,090 令和7年6,013冊 目標28,000 県立学校図書館、県立大学図書館のアクセシブルな書籍等 年間貸し出し冊数 令和3年度313 令和4年度351 令和5年度465 令和6年度387 令和7年度数値無し 目標500 ライトハウス点字図書館のアクセシブルな書籍等 年間貸し出し冊数 令和3年度11,279 令和4年度8,014 令和5年度 9,408 令和6年度7,802 令和7年度数値無し 目標13,200 県立図書館の「はーとふるサービス」利用登録者数 令和3年度71 令和4年度80 令和5年度100 令和6年度107 令和7年度112 目標120 ライトハウス点字図書館の利用登録者数 令和3年度335 令和4年度346 令和5年度348 令和6年度363 令和7年度数値無し 目標400 「インターネットを利用したサービスの提供体制の強化」関連 サピエ会員(個人会員)の登録者数 令和3年度77 令和4年度83 令和5年度88 令和6年度104 令和7年度数値無し 目標150 ライトハウス点字図書館、県立図書館及び特別支援学校の国会図書館障がい者等用データの送信承認の登録率 令和3年度20 令和4年度20 令和5年度70 令和6年度100 令和7年度数値無し 目標100 「特定書籍・特定電子書籍等の製作の支援」関連 県内のアクセシブルな書籍等(点字図書、デイジー図書)のサピエ図書館への年間アップロード数 令和3年度54 令和4年度56 令和5年度45 令和6年度65 令和7年度数値無し 目標120 「端末機器等及びこれに関する情報の入手支援、情報通信技術の習得支援」関連 県立図書館のアクセシブルな書籍等を利用するための端末機器 貸出数 令和3年度101 令和4年度83 令和5年度15 令和6年度24 令和7年度20 目標500 ライトハウス点字図書館のアクセシブルな書籍等を利用するための端末機器 貸出数 令和3年度25 令和4年度26 令和5年度16 令和6年度24 令和7年度数値無し 目標60 「製作人材・図書館サービス人材の育成等」関連 点訳・音訳奉仕員(ボランティア)の数 令和3年度231 令和4年度242 令和5年度242 令和6年度255 令和7年度数値無し 目標310   (2)成果と課題 計画に基づく事業の取組状況、指標の達成度と鳥取県読書バリアフリー協議会や関係先からの聞き取りなどで伺った意見を勘案し、次のとおり成果と課題を整理しました。 ア 成果 (ア)アクセシブルな書籍等の充実 ・視覚障がい者等をはじめとした当事者団体、関係団体等と連携し、出版情報の共有や当事者等のニーズ把握に努めて、県立図書館で電子書籍サービスの開始やアクセシブルな書籍、読書支援機器の購入を進めた結果、アクセシブルな書籍等が増加してきました。 ・ライトハウス点字図書館による点訳・音訳資料の製作も着実に進みました。 ・読書バリアフリーに関する研修をきっかけに、読書支援機器やデイジー図書が市町村立図書館を通じて利用者に貸し出されたほか、市町村立図書館が独自に購入する例が見られるようになってきました。 (イ)アクセシブルな書籍や読書バリアフリー関連サービスの円滑な利用のための支援 ・読書に困難がある当事者の声を直接聞いて、県立図書館の館内の環境、機器をより使いやすいものへ改善することができました。 ・ライトハウス点字図書館では、アクセシブルな書籍や読書支援機器の整備と情報提供により、利用登録者数が増加するなど読書バリアフリーに関するサービスの利用が広がりました。 ・特別支援学校卒業後の図書館利用に向けた講座のように、子ども達の将来にわたる図書館利用につながる支援ができるようになってきました。 ・ 県民を対象としたイベントの開催や出前図書館の実施、図書館職員や学校関係者を対象とした研修の開催等による普及・啓発により、市町村立図書館・学校図書館や視覚障がい者等を中心とした当事者・支援者の読書バリアフリーへの理解と普及が進んできました。 (ウ)インターネットを利用したサービスの提供体制の充実 ・県内の図書館や特別支援学校へ普及を図ってきたことにより、国立国会図書館のみなサーチやサピエ図書館について県内図書館へ知られるようになり、市町村立図書館や特別支援学校で導入されるところが出てきました。 ・国立国会図書館のサービスは、県内の全特別支援学校が利用できるようになり、特別支援学校での読書環境の向上につながりました。 (エ)特定書籍・特定電子書籍等の製作支援の推進 ・資料を製作する音訳等ボランティアの製作のノウハウを情報共有したり、ライトハウス点字図書館とサピエ図書館との情報交換を行ったりすることにより、特定書籍・特定電子書籍等の製作に携わる者への支援が進みました。 (オ)視覚障がい者等へ機器等の利用方法習得支援 ・県立図書館・ライトハウス点字図書館のアクセシブルな書籍等を利用するための端末機器について問い合わせはありますが、貸し出し数が減少し、新規の利用が伸び悩んでいます。問い合わせは続いていることから、貸し出し減少は機器の普及等が主な理由と考えられ、取組の成果ともとらえられます。 (機器の貸し出し減少の理由) ・市町村における再生機の整備が進んで県立図書館からの貸し出しが減少した。 ・市町村が実施主体となる視覚障がい者への日常生活用具給付等事業を利用した購入により再生機を利用される方が増えた。 ・録音図書再生アプリの開発等のICT環境の変化により、個人のパソコンやスマートフォン等で再生できる環境が進んできた。 (カ)製作人材・図書館サービス人材の養成 ・県やライトハウス点字図書館による研修や製作指導、県内図書館の情報交換等により、点訳者・音訳者、アクセシブルな電子データ製作者等の人材の養成が進みました。 ・県内図書館への読書バリアフリーに関する研修等の実施や情報交換により、司書、司書教諭・学校司書、教職員等の読書バリアフリーへの理解が進み、サービスの実施が少しずつ広がりました。 ・研修等の実施や市町村立図書館への機器の貸し出しが行われるようになり、利用者の機器使用の支援を行う図書館職員・学校関係者のスキルアップにつながりました。 イ 課題 (ア)計画の対象・方向性 ・読書バリアフリー法の「視覚障害者等」の「等」が分かりにくい。対象をどう整理するのか。 ・高齢化率が3割を超える本県は、高齢者についても検討が必要ではないか。 ・障がいの有無にかかわらずすべての人が等しく読書を楽しむことができる社会を目指してきているが、従来から行われてきたような障がいや困り感ごとに対応する「バリアフリー(バリア(障壁)の除去)」の考え方でよいのか。 (イ)一層の普及・啓発 ・ 読書バリアフリーに関する出前図書館等の利用客が、アクセシブルな書籍等について「知らなかった」「このようなものがあるなら利用したい」と言われる点を踏まえると、肢体不自由の方、読みに困難がある児童生徒、高齢者などにアクセシブルな書籍等の情報が十分には届いていないのではないか。 ・ 障がい等の当事者以外に、読書バリアフリー・多様な読書のあり方について広く啓発すべきではないか。 (ウ)環境整備 ・まだアクセシブルな図書は十分な数ではなく、先ずアクセシブルな図書の収集が必要ではないか。 ・音訳図書の製作は長期間かかるため時間にゆとりのある者でなければ難しいうえ、高齢化等でボランティアの確保が難しくなると見込まれることから、有償での点訳・音訳図書の製作が可能な事業者を探したり、AIなどを活用した録音図書の製作等について検討したりすべきではないか。 ・ 医療・福祉・学校教育等と連携し、市町村立図書館など身近なところで「聞く読書体験会」といったサービスを利用できることが必要ではないか。 ・アクセシブルな書籍である電子書籍等の使用のため、ICT機器操作の支援充実が必要ではないか。 (エ)人材の育成・確保 ・ アクセシブルな書籍製作者の高齢化などを踏まえ、人材育成・製作のノウハウ共有などが必要ではないか。 ・若い世代にボランティアや読書バリアフリー関係の体験の機会を提供し、多様な読書のあり方への理解と人材確保を進めてはどうか。 2 読書バリアフリーに関する現状 (1)社会のデジタル化 ア スマートフォン等情報機器端末の普及 情報通信基盤の整備、スマートフォンなどの情報端末や行政の電子申請やインターネット通販等サービスの普及など、社会のデジタル化は急速に進んでいます。「令和7年版情報通信白書」によれば、インターネット接続端末としてのスマートフォン利用率は、平成23年は16.2%だったが、令和6年には74.4%に増加しており、高齢者層でも、60代では平成23年に2.5%だったものが令和6年には78.8%へ、70代では平成23年に0.7%だったものが、令和6年に53.0%へと、いずれも大きく増加し、高齢者層を含めてスマートフォンによるインターネットの利用が可能な方が大幅に増加しています。なお、社会全体のデジタル化が進む中で、デジタル・ディバイドを解消し、誰もがデジタル化の恩恵を受けられる環境を整備していくため、デジタル活用に不安のある高齢者などを対象として、スマートフォンの利用に関する講座などが行われています。 イ ギガスクール構想の進展に伴う教育現場のICT環境 児童生徒の情報活用能力の育成や個別最適な学習の実現等のため令和5年度までの4年計画で整備を進めていく予定だった「ギガスクール構想」は、新型コロナウイルスによる臨時休校が全国に及んだことを契機に計画が大幅に前倒しされ、令和2年に児童生徒の1人1台端末と高速大容量の通信ネットワークが整備されました。さらに、文部科学省では今後デジタル教科書の段階的な導入を進めていく予定です。 ウ 電子出版 令和6年の紙の書籍の販売額は5,937億円、雑誌は4,119億円で、電子出版は全体で5,660億円となっており、電子出版が出版全体の約半分を締めています。ただし、電子出版のうちコミックが約90パーセントの5,122億円、書籍は約8パーセントの452億円、雑誌は約2パーセントの86億円であり、電子書籍・雑誌は紙の本の販売額の10分の1程度とまだ少ない状況です。 なお、令和5年7月に、筋疾患先天性ミオパチーという重い障がいがあり、車椅子と人工呼吸器を使用している市川沙央さんが「ハンチバック」により芥川賞を受賞した際の記者会見で読書バリアフリーについて訴えられたことを受け、令和6年、日本文藝家協会・日本推理作家協会・日本ペンクラブの3団体が4月に、出版5団体が6月に読書バリアフリーに協力していくという共同声明を出しました。さらに読書バリアフリー法に関連して、経済産業省では「アクセシブルな電子書籍製作のためのガイドブック骨子案」を令和7年3月にまとめ、出版業界への周知に向けて取り組んでいることなどから、アクセシブルな電子書籍の出版増加が期待されます。 (2)関連する法律・計画の動き 令和7年3月、文部科学省と厚生労働省は、国の読書バリアフリー計画(第二期)を策定しました。また、障がい者の情報収集や読書活動支援にもかかわる法律にも次のような動きがありました。 ・ 障がい者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策を推進するための障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法が令和4年5月に施行 ・ 障がいの有無によって分け隔てられることなく共生する社会の実現を目的とした障害者差別解消法により、令和6年4月から民間事業者における合理的配慮の提供が義務化 (3)計画の主な対象者数 県読書バリアフリー計画の対象者のおおよその人数を把握するため、統計データが公表されているものについて次に記載しました。なお、この計画の対象者は障がい者手帳等の有無を問わないため、次に記載した人数は、少なくともこれくらいの対象者がいるという目安です。 ア 障害者手帳所持者数 障害者手帳を持っている県民の方は、視覚障がい約1,800人、聴覚平衡約2,500人、肢体不自由約12,000人で横ばいか、やや減少傾向です。また、療育手帳や障害者手帳を持っている方は、知的障がいは令和2年の5,733人から令和6年の6,146人、発達障がいを含む精神障がいは令和2年の6,559人から令和6年の7,916人で増加傾向にあります。 視覚障がい(身体障害者手帳所持者数)(単位:人) 令和2年度1,947 令和3年度1,943 令和4年度1,882 令和5年度1,854 令和6年度1,825 (注)福祉行政報告例(各年度3月末日現在) 聴覚平衡(身体障害者手帳所持者数)(単位:人) 令和2年度2,564 令和3年度2,574 令和4年度2,504 令和5年度2,516 令和6年度2,523 (注)福祉行政報告例(各年度3月末日現在) 肢体不自由(身体障がい者手帳所持者数)(単位:人) 令和2年度13,366 令和3年度13,011 令和4年度12,581 令和5年度12,229 令和6年度11,886 (注)福祉行政報告例(各年度3月末日現在) 知的障がい児・者(療育手帳所持者数)(単位:人) 令和2年度5,733 令和3年度5,819 令和4年度5,871 令和5年度6,002 令和6年度6,146 (注)福祉行政報告例(各年度3月末日現在) 精神障がい者(精神障がい者保健福祉手帳所持者数)(単位:人) 令和2年度6,559 令和3年度6,901 令和4年度7,274 令和5年度7,581 令和6年度7,916 (注)福祉行政報告例(各年度3月末日現在) イ 特別支援学校の幼児児童生徒数 特別支援学校に在籍する幼児児童生徒数については、知的障がいを対象とする特別支援学校の在籍者数の増加により、全体として増加傾向が続いています。学部ごとにみると、小学部の在籍児童数の増加が顕著ですが、中学部・高等部については減少傾向にあります。 特別支援学校に在籍する幼児児童生徒数(単位:人) 令和2年度 幼稚部10 小学部193 中学部203 高等部352 合計758758 令和3年度 幼稚部10 小学部212 中学部189 高等部361 合計772 令和4年度 幼稚部11 小学部232 中学部181 高等部346 合計770 令和5年度 幼稚部13 小学部251 中学部170 高等部347 合計781 令和6年度 幼稚部11 小学部284 中学部172 高等部328 合計795 (出典:鳥取県学校便覧を各部の合計のみ抜粋) ウ 特別支援学級の児童生徒数 特別支援学級に在籍する児童生徒数については、年々増加してきています。中でも、知的障がい特別支援学級と自閉症・情緒障がい特別支援学級の増加が著しいです。 小学校(単位:人) 令和2年度 知的障がい449 肢体不自由20 病弱・虚弱23 弱視5 難聴16 言語障がい13 自閉症・情緒障がい717 合計1243 令和3年度 知的障がい475 肢体不自由19 病弱・虚弱23 弱視5 難聴19 言語障がい11 自閉症・情緒障がい740 合計1292 令和4年度 知的障がい511 肢体不自由18 病弱・虚弱23  弱視6 難聴17 言語障がい11 自閉症・情緒障がい797 合計1384 令和5年度 知的障がい530 肢体不自由16 病弱・虚弱26 弱視8 難聴17 言語障がい11 自閉症・情緒障がい873 合計1481 令和6年度 知的障がい543 肢体不自由13 病弱・虚弱17 弱視8 難聴12 言語障がい10 自閉症・情緒障がい956 合計1559 (出典:鳥取県の特別支援教育 理解と啓発のために) 中学校(単位:人) 令和2年度 知的障がい207 肢体不自由8 病弱・虚弱18 弱視2 難聴4 言語障がい0 自閉症・情緒障がい357 合計596 令和3年度 知的障がい226 肢体不自由5 病弱・虚弱29 弱視3 難聴3 言語障がい0 自閉症・情緒障がい373 合計639 令和4年度 知的障がい218 肢体不自由7 病弱・虚弱27 弱視2 難聴4 言語障がい3 自閉症・情緒障がい412 合計673 令和5年度 知的障がい234 肢体不自由7 病弱・虚弱31 弱視3 難聴4 言語障がい5 自閉症・情緒障がい433 合計717 令和6年度 知的障がい247 肢体不自由7 病弱・虚弱24 弱視3 難聴6 言語障がい7 自閉症・情緒障がい439 合計733 (出典:鳥取県の特別支援教育 理解と啓発のために) エ 通級による指導を受けている児童生徒数 鳥取県においては、通級指導教室を設置して通級による指導を実施しています。ここ近年の児童生徒数は横ばいですが、学習障がいや注意欠陥多動性障がい、言語障がいのある児童生徒が多くなっています。  小学校(単位:人) 令和2年度 言語障がい119 自閉症69 情緒障がい63 難聴6 学習障がい204 注意欠陥多動性障がい115 病弱・身体虚弱0 合計576 令和3年度 言語障がい148 自閉症77 情緒障がい63 難聴4 学習障がい209 注意欠陥多動性障がい105 病弱・身体虚弱0 合計606 令和4年度 言語障がい124 自閉症94 情緒障がい47 難聴4 学習障がい208 注意欠陥多動性障がい117 病弱・身体虚弱0 合計594 令和5年度 言語障がい122 自閉症78 情緒障がい43 難聴6 学習障がい243 注意欠陥多動性障がい119 病弱・身体虚弱0 合計611 (出典:文部科学省による通級による指導実施状況調査) 中学校(単位:人) 令和2年度 言語障がい3 自閉症24 情緒障がい10 難聴2 学習障がい66 注意欠陥多動性障がい49 病弱・身体虚弱1 合計155 令和3年度 言語障がい4 自閉症19 情緒障がい20 難聴2 学習障がい51 注意欠陥多動性障がい34 病弱・身体虚弱0 合計130 令和4年度 言語障がい3 自閉症27 情緒障がい16 難聴1 学習障がい51 注意欠陥多動性障がい45 病弱・身体虚弱1 合計144 令和5年度 言語障がい2 自閉症40 情緒障がい13 難聴0 学習障がい52 注意欠陥多動性障がい34 病弱・身体虚弱2 合計143 (出典:文部科学省による通級による指導実施状況調査) 高等学校(単位:人) 令和2年度 言語障がい0 自閉症6 情緒障がい0 難聴0 学習障がい2 注意欠陥多動性障がい7 病弱・身体虚弱0 合計15 令和3年度 言語障がい0 自閉症10 情緒障がい1 難聴0 学習障がい2 注意欠陥多動性障がい9 病弱・身体虚弱1 合計23 令和4年度 言語障がい0 自閉症14 情緒障がい2 難聴0 学習障がい1 注意欠陥多動性障がい11 病弱・身体虚弱1 合計29 令和5年度 言語障がい0 自閉症15 情緒障がい3 難聴0 学習障がい5 注意欠陥多動性障がい11 病弱・身体虚弱1 合計35 (出典:文部科学省による通級による指導実施状況調査) オ 高齢者数 鳥取県の65歳以上人口は概ね177,000人台で推移していますが、総人口が減少しているため高齢化率は上昇傾向にあります。内閣府「令和7年度版高齢社会白書」には、現在30%台の本県の高齢化率が、2050(令和32)年には40.9%になるという見込みが記載されています。(鳥取県の推計人口年報(令和6年10月~令和7年9月)第1表年齢3区分別推計人口、構成比、年齢構成指数の推移) 65歳以上人口(単位:人) 令和2年度177,046 令和3年度177,914 令和4年度178,155 令和5年度177,414 令和6年度177,251 令和7年度176,653 (鳥取県の推計人口年報(令和6年10月~令和7年9月)第1表年齢3区分別推計人口、構成比、年齢構成指数の推移) 老年人口(65歳以上)の割合(高齢化率)(単位:%) 令和2年度32.5 令和3年度32.9 令和4年度33.3 令和5年度33.5 令和6年度33.9 令和7年度34.2 (鳥取県の推計人口年報(令和2年から令和7年)表3 年齢3区分別人口) 第3章 計画の内容 1 基本的な方針等 令和3年3月に策定した県読書バリアフリー計画の課題や令和7年3月に文部科学省と厚生労働省により策定された国の読書バリアフリー計画(第二期)を踏まえて、基本的な方針と取組の方向性・主な施策をまとめました。 (1)目指す姿 誰でも生涯にわたって読書を通じて文字・活字文化の恩恵を享受できるユニバーサルな(誰にとっても不自由がない)読書環境を実現します。 個別のバリアフリー対応を進めつつ多様な読書のあり方を普及することにより、誰もが利用しやすく、自分に合った方法を選択して読書できる環境へ近づけていき目指す姿を実現します。 (2)基本的な方針 ア アクセシブルな書籍等の充実 イ 障がいの有無、年齢に関係なく誰もが自分にあった書籍等にアクセスできるサービスの充実 ウ すべての人が読書を楽しめる環境の普及・啓発 (3)計画の推進体制 読書バリアフリーを進めてユニバーサルな(誰にとっても不自由がない)読書環境を実現するためには、県の福祉部門、ライトハウス点字図書館と図書館を含む教育委員会の日常的連携はもちろん、市町村の福祉部門と教育委員会、学校、読書に困難がある当事者やその団体、支援機関やボランティアなどが様々な場面で取組を推進していくことが必要です。そのため、関係者と情報を共有し協働して進めていきます。 (関係する会議・団体など) ア 鳥取県読書バリアフリー推進に係る関係者協議会 県読書バリアフリー計画や計画に基づく読書バリアフリー推進事業等の取組状況等について、読書に困難がある当事者、支援機関、ボランティア、出版・書店等の関係者から専門的見地に基づく意見を伺いながら取組を進めます。 イ 鳥取県教育委員会 県読書バリアフリー計画に基づく読書バリアフリー推進事業等の取組状況等について、定例教育委員会に報告し、教育委員の意見を伺いながら取組を進めます。 ウ 鳥取県図書館協議会 図書館の運営や図書館が行うサービスに関して館長に意見を述べる図書館法に基づく附属機関です。学校教育、社会教育、公共図書館や大学図書館、報道機関から委嘱した委員へ、県読書バリアフリー計画に基づく読書バリアフリー推進事業等の取組状況等について報告し、意見を伺いながら取組を進めます。 エ 鳥取県公共図書館協議会・鳥取県図書館協会 県立図書館と県内の市町村立図書館で構成する鳥取県公共図書館協議会、県内の図書館関係者、ボランティア、書店・出版関係者で構成される鳥取県図書館協会に県読書バリアフリー計画に基づく事業の推進について随時情報を共有し、協力して取組を進めます。 (4)進捗の管理 鳥取県読書バリアフリー推進に係る関係者協議会において、毎年度、数値目標及び施策の実施状況、計画の進捗状況を点検・評価します。 県は、本計画の進捗状況を県民と共有するため、施策の実施状況や数値目標の達成状況をとりまとめて公表します。 2 施策の体系 基本的な方針1 アクセシブルな書籍等の充実                                             【施策の方向性】 ア  アクセシブルな書籍等の収集 イ  インターネットを利用したサービスの提供 ウ  アクセシブルな書籍等の製作人材確保・養成 エ  アクセシブルな書籍等の製作と製作支援 基本的な方針2 障がいの有無、年齢に関係なく誰もが自分に合った書籍等にアクセスできるサービスの充実    【施策の方向性】 ア  当事者の意見やニーズを起点にしたサービスの実施 イ  学校でのアクセシブルな書籍等の利用の支援 ウ  図書館でのアクセシブルな書籍等の利用の支援 エ  市町村でのアクセシブルな書籍等の利用の支援 オ  アクセシブルな書籍・機器等の利用の支援 基本的な方針3 すべての人が読書を楽しめる環境の普及・啓発                                【施策の方向性】 ア  市町村や福祉・医療・学校・書店等との連携による読書に困難がある者への普及 イ  多様な読書のあり方の幅広い層への普及・啓発 3 施策の方向性と内容   (1)アクセシブルな書籍等の充実 ア アクセシブルな書籍等の収集 【現状】 ・県立図書館のアクセシブルな書籍等の蔵書が令和2年の15,676冊から令和6年は18,563冊へ増加しました。このうち、令和5年12月から開始した電子書籍サービスは令和7年3月時点で2,943冊です。ただし、全体の蔵書約130万冊と比較するとまだ十分とは言えません。 ・市町村立図書館では、鳥取県立図書館のアクセシブルな資料の活用に加えて、大活字本やデイジー図書等を所蔵したり、オーディオブックの貸し出しを行ったりするなど資料の充実が進んできています。 ・ライトハウス点字図書館のアクセシブルな書籍等の蔵書が令和2年の8,745冊から令和6年は8,939冊へ増加しました。 ・広く流通している本に比較するとまだアクセシブルな書籍等の出版は少ないですが、地元出版社からも紙の本に加えて同じタイトルの電子書籍が出版されるようになるなど、アクセシブルな書籍等の販売は少しずつ増えてきています。 【取組の方向性】 ・県立図書館は、大活字本、触る絵本、布絵本、LLブック、デイジー図書等のアクセシブルな書籍と録音図書、電子書籍やデイジー図書の再生機、拡大読書器や電子ルーペ、リーディングトラッカーなどの読書支援機器の購入を計画的に進めます。視覚障がい者等が使いやすい書籍等と誰もが読みやすい書籍等を充実させて、視覚障がい者等をはじめ誰もが読みたい本を選んで読書が行えるよう、様々なタイプのアクセシブルな書籍等を幅広く購入し、市町村立図書館や学校図書館などでも利用できるようにします。 ・ライトハウス点字図書館は、引き続き点訳・音訳資料、デイジー図書などのアクセシブルな書籍等の製作を進めます。 【主な取組】 ・アクセシブルな電子書籍、オーディオブックの積極的収集など、県立図書館によるアクセシブルな書籍等の購入の増加 ・地元出版社と連携した電子版の郷土資料の収集継続  など イ インターネットを利用したサービスの提供 【現状】 (インターネットを利用したサービスの実施状況) ・県立図書館では、令和6年1月からインターネットを通じてすべての県民を対象に貸し出しする電子書籍サービスを開始しました。また、国立国会図書館のみなサーチやサピエ図書館は、県立図書館やそれぞれのサービスに登録している図書館を通じて利用することができます。また、鳥取市立図書館では、麒麟のまち定住圏を対象にした電子書籍サービスを行っています。 ・国立国会図書館のみなサーチは、令和7年6月末時点で、デイジー、電子書籍、テキストファイル、点字データなど約324万タイトルが利用可能です。視覚障がいその他の理由で通常の活字の印刷物の読書が困難な方が、利用登録するとこれらの資料を利用できます。 ・ サピエ図書館では、点字データ約27万タイトル、音声デイジーデータ約13万タイトルがダウンロードできます。また、全国の会員施設が所蔵する約84万タイトルの膨大な資料が検索できます。利用できるのは視覚障がい者等の活字による読書に困難がある方が、利用登録するとこれらの資料を利用できます。 ・インターネット上のボランティアが運営する「青空文庫」では、著作権の消滅した作品と、「自由に読んでもらってかまわない」とされた作品をテキストとXHTML(一部はHTML)形式に電子化し、ホームページから誰でも無料で読むことができます。 ・一般社団法人 青空朗読は、社会貢献活動を行うアナウンサーや朗読を学ぶ一般の方がインターネット上の図書館「青空文庫」の作品を朗読したデータを誰でも無料で聞くことができるサイトを運営しています。 (サービスの普及) ・県立図書館やライトハウス点字図書館は、市町村立図書館、特別支援学校、小中学校等を訪問してインターネットを利用したサービスの利用についてPRを行い、特別支援学校では全校で国会図書館のみなサーチが利用できるようになりました。しかし、サピエ図書館の個人登録は県全体で104名にとどまっています。 【取組の方向性】 ・ 視覚障がいその他の理由で通常の活字の印刷物の読書が困難な方に、図書館や学校に加えて医療・福祉・ボランティアなどの協力を得て、インターネットを利用したサービスの情報を届けます。 ・また、誰でも利用可能な県立図書館等の電子書籍サービスや登録が不要な青空文庫や青空朗読などについてもPRします。 【主な取組】 ・市町村立図書館等と協力し、イベントの機会をとらえてインターネットを利用したサービスの体験会を実施 ・インターネットを利用したサービスに関するリーフレットなどを作成し、医療・福祉・ボランティアなどの協力を得て必要な方に情報提供 ・ホームページやSNSなど様々な方法を活用し、インターネットを利用したサービスを広く情報発信   など  ウ アクセシブルな書籍等の製作人材確保・養成 【現状】 ・ライトハウス点字図書館は、点訳・音訳ボランティア団体への助言・指導や、スキルアップ研修、ボランティア養成講習会を通じて人材の育成や活動を支援し、ボランティアの育成に努めています。 ・県立図書館は、デイジーの製作を行っている市町村図書館の情報共有の場を設けたり、依頼に応じて製作人材向けの研修会等に講師を派遣したりしています。 ・ボランティアを含めた製作人材の高齢化が進んできており、将来にわたって安定した製作人材の確保が求められています。 【取組の方向性】 ・現在、アクセシブルな書籍等の製作に携わっている方への日常的な助言・指導とスキルアップに向けた研修を継続します。また、資料製作に役立つ新たな技術の活用に向けた研究を進めます。 ・ 将来に向けて製作人材を確保するため、若い世代も対象に聞いて楽しむ本、触って楽しむ本の製作体験等の機会を設けます。 【主な取組】 ・アクセシブルな書籍製作にかかわる方への研修・助言等の継続 ・学生ボランティア等若者による聞いて楽しんだりさわって楽しんだりできる本の製作  など エ アクセシブルな書籍等の製作と製作支援 【現状】 ・ライトハウス点字図書館では、サピエ図書館と連携しながら、行政資料やリクエストされた書籍等の点訳資料、音訳資料を製作しています。(284冊(令和2年4月1日~令和7年3月31日)) ・地域のボランティアが、ライトハウス点字図書館と協力しながら、点訳資料、音訳資料を製作しています。 ・長い書籍などを点訳、音訳する場合は、製作に長期間かかるため、速やかにリクエストに応えられないことがあります。 【取組の方向性】 ・ ライトハウス点字図書館のアクセシブルな資料の製作を支援するとともに、指導助言や製作手順を共有するなどしてボランティアへの製作の支援を継続して行います。 ・新たな端末機器やソフトウェア、合成音声の活用等の新しい技術の情報を収集と活用、アクセシブルな資料の製作が可能な県内事業者による製作の研究など、アクセシブルな書籍等の製作手段を増やします。 【主な取組】 ・ライトハウス点字図書館による製作への支援を継続 ・新技術を活用した音訳図書等の製作についての情報収集と情報共有 ・ライトハウス点字図書館による、特定書籍や特定電子書籍等の製作者への製作手順等の共有 ・ライトハウス点字図書館による、県立・市町村立図書館への特定書籍の情報や製作ノウハウの共有 ・ライトハウス点字図書館・県立図書館による郷土出版物を刊行する出版社との情報交換 ・県立図書館による音訳図書等の製作者への「読み」の調査などの支援を継続       など (2)障がいの有無、年齢に関係なく誰もが自分に合った書籍等にアクセスできるサービスの充実 ア 当事者の意見やニーズを起点にしたサービスの実施 【現状】 ・鳥取県読書バリアフリー推進に係る関係者協議会の場で、当事者団体、ボランティア等の支援者団体、地元出版社、市町村、市町村立図書館等から、読書バリアフリーに関する意見を聞いて計画や施策に反映しています。 ・ライトハウス点字図書館や県立図書館は、市町村立図書館、学校等を訪問して現場担当者の意見を聞いたり、視覚障がい者等に県立図書館で施設やサービスを実際に体験してもらった感想を聞いたりして、サービスの改善に役立てています。 【取組の方向性】 ・引き続き、学校や市町村立図書館などを訪問して直接現場担当者の声や当事者に施設やサービスを体験してもらった感想をもとにサービスの見直しに努めます。 ・鳥取県読書バリアフリー推進に係る関係者協議会などで事業の実施状況について意見交換を行い、当事者のニーズに応えられるサービス、事業の実施につなげます。 【主な取組】 ・鳥取県読書バリアフリー推進に係る関係者協議会などからの意見を踏まえた施策の検討・実施 ・ライトハウス点字図書館や県立図書館による市町村立図書館や学校への訪問相談 ・視覚障がい者等を対象とした県立図書館のサービス体験を通じたニーズ把握       など イ 学校でのアクセシブルな書籍等の利用の支援 【現状】 ・特別支援学校では、児童生徒に応じた書籍やデイジー図書、インターネットを利用したサービスを活用して、読書や学習を行っています。一方で、特別支援学校以外の学校では、読書バリアフリーに役立つ資料や機器が充分に活用されていない学校もある状況です。 ・令和5年度に県教育委員会が行った子どもの読書活動に関するアンケートによると、点字図書や触る絵本を概ね半数以上の学校が所蔵していますが、これ以外にデイジー図書、LLブック等のアクセシブルな書籍を所蔵している学校は3割に満たない状況です。 【取組の方向性】 ・読書に支援が必要な児童生徒が、様々な読書の方法があることを知り、自分に合った方法で読書を行える環境づくりを支援します。 ・障がいの有無にかかわらず、児童生徒がアクセシブルな書籍など様々な読書の方法があることを知る環境づくりを支援します。 【主な取組】 ・学校訪問などの機会を活用して児童生徒・教職員へ様々な読書の方法や読書支援機器について情報を提供 ・出前図書館、図書館ツアーなどの機会に児童生徒・教職員へアクセシブルな書籍等の体験の機会を提供 ・学校図書館で読書バリアフリーのコーナー設置やPRの展示を行えるよう支援 ・教職員・学校図書館職員へ読書バリアフリーやアクセシブルな書籍等に関する研修を実施 ウ 図書館でのアクセシブルな書籍等の利用の支援 【現状】 ・県立図書館では、常設のコーナーを設けて読書バリアフリーサービスの紹介やアクセシブルな書籍等の貸し出しを行っています。また、インターネットを利用したサービス利用のための高齢者向けスマホ講座の実施、誰にとっても分かりやすい館内表示への見直しなど、サービスや環境の整備を続けています。さらに、市町村立図書館を対象とした、研修、相談への助言、アクセシブルな書籍等の貸し出しなどを行って、県内市町村立図書館の読書バリアフリーサービス実施の支援を行っています。 ・市町村立図書館でも、鳥取市による電子書籍サービスの導入、倉吉市の読書バリアフリー計画策定などをはじめ、アクセシブルな書籍等の体験会の実施や、大活字本のコーナー設置などの取組を行うところがあります。 ・県立図書館など郵便局の制度に登録している図書館では、障がい者を対象とした無料または割引料金による図書の郵送貸し出しサービスを行っています。 【取組の方向性】 ・県立図書館が国の施策や全国の先進事例、アクセシブルな書籍などの情報を収集し、県内の図書館へ共有します。 ・県内の図書館と協力し、医療・福祉と連携して支援が必要な当事者へ読書バリアフリーサービス情報を提供できるよう努めます。 ・市町村での読書バリアフリー施策推進に向け、読書バリアフリー計画の策定を支援します。 ・図書館職員の読書バリアフリーに関する知識やスキルが向上するよう研修を行い、身近な図書館等で必要とする方がアクセシブルな書籍等や読書支援機器を借りたり、体験したりできるように支援します。 【主な取組】 ・市町村立図書館などの図書館職員に対する読書バリアフリーに関する研修の実施や、先進事例や新技術などの情報提供 ・支援を必要とする当事者への医療・福祉と連携した読書バリアフリーサービスに関する情報提供 ・市町村への読書バリアフリー計画策定に関する情報提供と策定への支援 ・図書の郵送貸し出しサービス等の従来から行っている障がい者支援の継続   など エ 市町村でのアクセシブルな書籍等の利用の支援 【現状】 ・障がい者福祉担当部門が、アクセシブルな電子書籍等を利用するための端末機器、拡大読書器、ルーペ等の拡大補助具、点字ディスプレイ、デイジープレイヤー等の端末機器等の購入について助成を行っています。また、ICTサポートセンターでは、読書に困難のある人が再生機器の利用方法を習得するための、必要な支援を行っています。 【取組の方向性】 ・引き続き、視覚障がい者等の機器購入への助成や、利用方法修得に向けた支援を行います。 ・また、市町村における総合的・計画的な事業推進のため、読書バリアフリー計画の策定について働きかけます。 【主な取組】 ・視覚障がい者等の機器購入への助成と利用方法習得の支援 ・市町村への読書バリアフリー計画策定に関する情報提供と策定への支援(再掲) ・チラシなどの広報資料を作成し、支援を必要とする当事者への医療・福祉・学校を通じた広報による読書バリアフリーサービスの普及     など オ アクセシブルな書籍・機器等の利用の支援 【現状】 ・体験会や出前図書館、メディアによる広報などを通じて、アクセシブルな書籍、読書バリアフリーに関するサービスについて情報発信しています。 ・県立図書館では郵便局の障がい者を対象とした無料または割引料金での郵送貸し出しに加えて、来館が困難な施設入所者、入院患者を対象とした実費負担による郵送貸し出しを行っています。 ・国の補助金も活用して、音声ガイド機能が使えるスマートフォン・タブレット、拡大読書器等の購入経費を助成しています。 ・図書館やライトハウス点字図書館で、アクセシブルな書籍等の貸し出しや館内で利用できる読書支援機器を整備しています。 ・当事者が、アクセシブルな書籍等の使用方法を習得できるよう講習会の開催や、ICT サポートセンターによる支援を行っています。 ・サービスやアクセシブルな書籍等の利用は少しずつ増えてきていますが、まだ十分とは言えない状況です。 【取組の方向性】 ・これまでの情報発信の方法に加えて、医療・福祉・学校と連携した体験会の実施等を通じて情報提供を強化します。 ・引き続き、アクセシブルな書籍や機器の購入助成を行います。 ・誰でも利用できるアクセシブルな書籍や読書支援のグッズなどを紹介し、利用方法、入手方法も情報発信します。 【主な取組】 ・ライトハウス点字図書館等・ICTサポートセンター等による端末機器等の情報・利用の支援 ・図書館で視覚障がい者等に機器等の利用習得支援ができるよう、県立・市町村立図書館職員へ読書バリアフリーに役立つ機器の使用法についての研修を行い、機器等の使用法を学ぶ方への支援を実施 ・学校における読書バリアフリーの充実に向け、端末機器等の情報や利用方法について、教育委員会の関係職員等へ周知    など (3)すべての人が読書を楽しめる環境の普及・啓発 ア 市町村や福祉・医療・学校・書店等との連携による読書に困難がある者への普及 【現状】 ・学校、図書館、当事者団体やボランティアなどと協力して、アクセシブルな書籍等の体験会や情報発信を行っていますが、必要な方に十分な情報が届いていないという声が聞かれます。 【取組の方向性】 ・より身近な場所(図書館)でのサービスを充実させるために、市町村立図書館職員を対象とした研修を実施します。 ・学校や図書館などを通じた情報提供に加えて、読書に支援が必要な方が通ったり、利用したりすることが想定される福祉事務所や役場の福祉担当部署、社会福祉協議会、県立の相談機関、病気や障がいに応じた医療機関・患者団体と連携した情報発信を行い、当事者へ情報を届けます。 ・電子書籍やオーディオブックなどのアクセシブルな書籍等について、地域の書店でも情報を知ることができるよう支援します。 【主な取組】 ・県立図書館とライトハウス点字図書館が共催で県下の該当施設職員向けに読書の福祉機器やサピエ等の利用についての体験会・研修を開き、読書バリアフリーの普及・啓発を実施 ・アクセシブルな書籍等や読書バリアフリーサービスの紹介、利用方法に関する広報資料を作成し、市町村、医療、福祉、学校、書店を通じて情報発信 ・身近な場所(市町村の図書館等)でのアクセシブルな書籍等の体験会実施    など イ 多様な読書のあり方の幅広い層への普及・啓発 【現状】 ・読書バリアフリーやアクセシブルな書籍、様々な読書の方法について、当事者や関係者への普及は進んできましたが、広く誰もが知っているという状況にありません。 【取組の方向性】 ・誰でも生涯にわたって読書を通じて文字・活字文化の恩恵を享受できるユニバーサルな(誰にとっても不自由がない)読書環境を実現するには、障がいの有無や年齢に関係なく誰もが利用しやすく、自分に合った方法を選択して読書できる環境の整備と多様な読書のあり方を普及することが必要です。 ・読書に困難のある人へ、自分に合った読書スタイルについて情報提供を行います。 ・家族や友人などに読書が困難な人がいる場合、バリアフリー図書やサービスを案内してもらえるような広報を行います。 ・自分が将来、障がいや高齢等により読書が困難になったときにも、読書をあきらめることなく自分に合った読書ができるように情報発信を行います。 【主な取組】 ・身近な図書館等でのアクセシブルな書籍等の使用体験会(再掲) ・学生ボランティア等若者による聞いて楽しんだりさわって楽しんだりできる本の製作(再掲) ・インターネットを利用したサービスに関するリーフレットなどを作成し、医療・福祉・ボランティアなどの協力を得て必要な方に情報提供(再掲) ・ホームページやSNSなど様々な方法を活用し、インターネットを利用したサービスを広く情報発信(再掲)   など (4)指標 指標、現状、目標の順に読み上げる。現状は令和6年度末の数値 ア アクセシブルな書籍等の充実 県立図書館のアクセシブルな書籍等の所蔵数(単位:点) 現状 合計 18,563 内訳 大活字本9,212 デイジー図書2,167 マルチメディアデイジー図書261 点字資料3,000 オーディオブック3,391 布絵本42 さわる絵本273 LLブック217 目標 19,500 県立図書館の電子書籍のタイトル数(単位:点) 現状 合計 2,943 うち、音声読み上げ可能なタイトル数1,025  うち、オーディオブックのタイトル数0 目標  合計10,000 うち、音声読み上げ可能なタイトル数3,000 うち、オーディオブックのタイトル数1,000 県立図書館の電子書籍の年間アクセス数 現状 20,487 目標 23,000 ライトハウス点字図書館のアクセシブルな書籍等の所蔵数(単位:点) 現状 8,939 目標 9,100 アクセシブルな書籍等の年間貸し出し冊数(単位:冊) 現状 県立図書館15,638 県立学校図書館、県立大学図書館387 ライトハウス点字図書館7,802 目標 県立図書館18,000 県立学校図書館、県立大学図書館600 ライトハウス点字図書館10,000 学校図書館及び公立図書館(室)におけるアクセシブルな資料の所蔵率(単位:%) 現状 57.4 ※令和5年度子どもの読書活動に関するアンケートの結果による 目標 100 点訳・音訳ボランティア養成研修の年間受講者数(単位:人) 現状 45 目標 70 県内個人・団体によるサピエ図書館からの年間データダウンロード数(単位:件) 現状 19,541 目標 20,000 県内のアクセシブルな書籍等のサピエ図書館・国立国会図書館視覚障がい者等用データ送信サービス(みなサーチ)への年間アップロード数(単位:件) 現状 65 目標 90 サピエ会員(個人会員)の登録者数(単位:人) 現状 104 目標 150 イ 障がいの有無、年齢に関係なく誰もが自分に合った書籍等にアクセスできるサービスの充実 県立図書館の障がい者等サービス(はーとふるサービス)登録利用者数(単位:人) 現状 106 目標 140 ライトハウス点字図書館の利用登録者数(単位:人) 現状 363 目標 400 県立図書館が主催する障がい者サービス・読書バリアフリーに関する研修・講座等の年間参加人数(単位:人) 現状 102 目標 150 学校図書館及び公立図書館(室)におけるアクセシブルな資料の所蔵率(単位:%) 現状 57.4 ※令和5年度子どもの読書活動に関するアンケートの結果による 目標 100 読書バリアフリー計画策定済みの市町村数 ※障がい者計画の一部として位置付けられたものも含む 現状 2 目標 8 視覚障がい者等へ向けたサービスを実施している市町村立図書館の数 ※録音図書または点字図書の貸し出し、視覚障がい者等への郵送貸し出し、対面朗読のいずれかを実施している館 現状 11 目標 19 ウ すべての人が読書を楽しめる環境の普及・啓発 県立図書館の読書バリアフリーに関する各メディアでの発信回数 現状 数値無し 目標 月2回以上 学校図書館及び公立図書館(室)におけるアクセシブルな資料の所蔵率(単位:%) 現状 57.4 ※令和5年度子どもの読書活動に関するアンケートの結果による 目標 100 県立図書館による読書バリアフリーに関するイベントの年間開催回数 ※出前図書館等を含む 現状 26 目標 30   (参考)用語集 用語、説明の順に読み上げる。用語には便宜的に数字を振って表します。 1.視覚障がい者等(3ページなど) 視覚障がい、発達障がい、肢体不自由その他の障がいにより、書籍について、視覚による表現の認識が困難な者(読書バリアフリー法第2条第1項)。 具体的には、視覚障がい者、読字に困難がある発達障がい者、寝たきりや上肢に障がいがある等の理由により、書籍を持つことやページをめくることが難しい、あるいは眼球使用が困難である身体障がい者等。なお、ロービジョン者など障がい者手帳の所持の有無は問わない。 2.ロービジョン 何らかの原因により視覚に障がいを受け、「見えにくい」「まぶしい」「見える範囲が狭くて歩きにくい」など日常生活での不自由さをきたしている状態。 3.書籍(4ページなど) 雑誌、新聞その他の刊行物も含む。 4.アクセシブルな書籍(4ページなど) 視覚障がい者等が利用しやすい書籍(読書バリアフリー法第2条第2項)。 視覚障がい者等がその内容を容易に認識することができる書籍。 例えば、点字図書、拡大図書、音訳図書、触る絵本、LLブック、布の絵本等。 5.点字図書(5ページなど) 点字によりつくられた図書。 6.拡大図書 視力が低下した人や、高齢者などにも読みやすいように、文字の大きさや行間等を調整し、大きな活字で組みなおした「大活字本」や、既存の本を読みやすい大きな文字に書き直して作られた「拡大写本」のこと。 7.音訳図書(録音図書) 耳で聴いて読書できるように朗読し、その音声を収録したもの。 8.触る絵本(5ページなど) 指で読むために作られた絵本。本の挿し絵は様々な材料で作られており、盛り上がった形となっている。 9.LLブック(5ページなど) 読むことに困難を伴いがちな青年や成人を対象に、生活年齢に合った内容を、分かりやすく読みやすい形で提供すべく書かれた本。 10.布の絵本(5ページなど) 厚地の台布に、絵の部分をアップリケし、マジックテープやスナップ、ボタン、ファスナー、紐で留めたり、外したり、結んだりできるようにし、文の部分を手書きした、絵本と遊具の性質を兼ね備えた手作り図書。 11.アクセシブルな電子書籍等(11ページなど) 視覚障がい者等が利用しやすい電子書籍等(読書バリアフリー法第2条第3項)。 電子書籍その他の書籍に相当する文字、音声、点字等の電磁的記録…(略)…であって、電子計算機等を利用して視覚障がい者等がその内容を容易に認識することができるもの。 例えば、音声読み上げ対応の電子書籍、デイジー図書、オーディオブック、テキストデータ等。 12.デイジー図書(5ページなど) 視覚障がい者や普通の印刷物を読むことが困難な人々のためにカセットに代わるデジタル録音図書の国際標準規格。読みたい任意のページに飛んだりできる。 13.マルチメディアデイジー(5ページなど) 本文のテキストに音声データと見出し等の文書構造や画像を付加したもの。章や節、任意のページに飛ぶことができる機能を付加しているほか、音声を同期させることで、読み誤りなく作成できる。 14.オーディオブック(16ページなど) 書籍等の文章を読み上げ又は口演し、必要に応じて効果音及びBGM 等を付与することにより、利用者が耳で聴くことを通じて情報を得られる形式の電子音声コンテンツ。 15.テキストデータ 文字コードだけで構成された文字列や文書のデータ。ワープロデータのように書体や行間などの情報を含まないもの。 16.アクセシブルな書籍等(5ページなど) アクセシブルな書籍及びアクセシブルな電子書籍等。 17.特定書籍(7ページなど) 著作権法第37 条第1項又は第3項本文の規定により製作されるアクセシブルな書籍。 18.特定電子書籍等(7ページなど) 著作権法第37 条第2項又は第3項本文の規定により製作されるアクセシブルな電子書籍等。 19.サピエ図書館(6ページなど) 視覚障がい者及び視覚による表現の認識に障がいのある方々に対して点字データ、デイジーデータ等を提供するネットワーク。日本点字図書館がシステムを管理し、全国視覚障害者情報提供施設協会が運営を行っている。正式名称は「視覚障害者情報総合ネットワーク」。 20.国立国会図書館視覚障害者等用データ送信サービス(6ページなど) 国立国会図書館が各機関から収集した視覚障害者等用データと、国立国会図書館が製作した視覚障害者等用データをインターネット経由で送信するサービス。 21.みなサーチ(6ページなど) 国立国会図書館の障害者用資料検索サービス。点字、DAISY、テキストデータ、大活字本、LLブック、電子書籍、バリアフリー映像資料など、さまざまな種類のアクセシブルな資料を横断的に検索可能。 22.公立図書館 県立図書館及び市町村立図書館。 23.市町村立図書館等(6ページなど) 市町村立図書館、大学及び高等専門学校の附属図書館、学校図書館。 24.ICTサポートセンター(20ページなど) 障害者等のICT機器の利用機会の拡大や活用能力の向上を目的として、各自治体が設置する、「ICT機器の紹介や貸し出し、利用に係る相談等を行う拠点」のこと。