読書バリアフリーフォーラム 質問等への回答  回答欄の()は回答者 質問:はーとふるコーナーの資料充実ということですが、どういう基準で新しい点字・拡大などに使用する資料を選んでいるか知りたいです。 回答:当館は、点訳や拡大写本の製作は実施しておりません。 収集に関しては、点字資料、大活字本については、市販されているものを収集しています。 また、今年度中には、音声デイジーも閲覧できるよう「はーとふるサービスコーナー」をリニューアルする予定です。(鳥取県立図書館) 質問:「障害者」「障碍者」「障がい者」と3様の表記ですか? 害とかいかがなものか。合理的配慮と環境整備の視点から「害」は改善して、「がい」がよいと思うのですが、いかがですか?文字を変えることがバリアフリーにつながると思いますが...。 回答:鳥取県では、障がいのある人の思いを大切にし、共生社会の実現を推進するという観点から、県が発行する公文書や広報等で使用する「障害」を「障がい」と表記しています。(鳥取県立図書館) 質問:「差別」の本質を教えてください。 「障がい者差別」「男女差別」「外国人差別」「高齢者差別」等、言われなき差別、謂れなき差別と言われますが、本質をしっかりとらえている人、当事者意識、わが事意識として、「おかしい」と言えないと思います。差別と区別はちがいます。差別の不当性について教えてください。 回答:お尋ねの趣旨をはかりかねるところがあり、お答えすることが困難ですが、県立図書館は、差別に関する様々な資料を所蔵しています。今後も、いつでも差別に関して学習できるよう、資料の収集に努めます。(鳥取県立図書館) 質問:東日本、熊本地震でも、障がい者の方の致死率は健常者の2倍と聞いています。今が一番大事だと思うのですが、国、県、市、自治会、隣近所、御自身の立場で、致死率を下げるには具体的にどういうことができるのか教えてください。大変心配しています。よろしくお願いします。防災士、公民館長の立場です。 回答:鳥取県では、『災害時要援護者に配慮した市町村防災マニュアル策定指針』により、地震等の災害に備えて行政機関や障害福祉施設、高齢者福祉施設、団体、地域住民等が留意しておくこと、また、災害時に援護を必要とする方々自ら、あるいはその周囲の方々が日頃心がけていただきたいことや災害発生時に行動していただきたいことなど、市町村において防災マニュアルを策定される際にガイドラインとなるよう整理しています。また、県立図書館では、障がいを持つ方々の災害時の対応に関する資料を所蔵していますので、お問い合わせいただければそれらの資料を紹介させていただきます。(鳥取県立図書館) 質問:点訳、録音図書の貸出冊数、利用人数は? 回答:当館が所蔵している点字資料約3,000冊は、主に盲学校に貸出をして活用していただいています。 令和2年度の録音図書の利用状況は、以下のとおりです。 貸出冊数 1,015件  利用人数 148人(鳥取県立図書館) 質問:「仏作って〜」と言われたが、「〜関する計画」は仏ではない。単なる入口であって、望ましい形に作り、計画を推進させ実行させなければならない。”計画倒れ”ということもあるし、”お蔵入り”という事もある。単なる”計画”ができたから、それで良しとか安心だとかいうものではない。 回答:鳥取県では、これから市町村や関係団体と連携しながら、計画に基づいて具体的な取り組みを進めていきます。(鳥取県立図書館) 質問:宇野先生が来県し、来場されるものと思っていた。オンラインで、とても大変に残念。しかも、オンラインの映像はぼんやりボケているし、画面は前のボードに対して1/100ほどの大きさで小さいし、顔も姿もぼやけていて分からないし、残念。期待はずれの感がする。 回答:画面が小さくて宇野先生の姿がはっきり見られなかった点につきましては、申し訳ありませんでした。宇野先生につきましては、新型コロナ感染対策として、やむを得ずオンラインで参加していただくことになりました。ご理解いただきますようお願いします。 (鳥取県立図書館) 質問:磁気ループってなんですか? 回答:聴覚障がいの方を補助する目的で開発された、音声を受信するための設備です。専用のコードで一定の座席を囲い、その区画内で専用の補聴器を使うことで、音を明瞭に聞くことができます。(鳥取県立図書館) 質問:宇野先生のお話にもありました、日常生活用具給付事業について。県内市町村では、まだ視覚障がいに限定的だと思います。福祉行政との早期な連携や対応について、何か動きの予定はありますか? また、発達障がいや肢体不自由の方に向けても対象となることを、それぞれの関係団体のみならず、視覚障がいの方面からも広げていただけると良いと思います。パネリストのお話でもあるでしょうが、現状はどうでしょうか? 回答:日常生活用具給付事業は、市町村が地域の実情やニーズに基づき行うものであり、現状では市町村によって実施内容が異なります。 県では、市町村が行う日常生活用具給付事業において、読書バリアフリー法、国の基本計画及び県計画等の趣旨に基づいて、拡大読書器やデイジープレイヤーの給付対象について、視覚障がい、発達障がい、肢体不自由その他の障がいにより、視覚による表現の認識が困難な方への拡充を検討するよう、令和3年5月18日付けで県内市町村へ依頼する文書を発出しています。 今後、各市町村において本通知の趣旨に鑑み、給付対象の拡充についてご検討いただきたいと考えています。(鳥取県福祉保健部ささえあい福祉局障がい福祉課) 質問:宇野先生、パネリストの方々へ 来館する場合、来館しない場合それぞれについて公共図書館に求めること(機能、サービス)を具体的に教えてください。 私は県図に毎月本を借りに行きますが、そういえば障がいのある方を見かけることがほとんどないなーと思いました。県図のバリアフリーサービスのレベルや意識は全国的に見ても高いと思いますが「場」としてのバリアフリーや使いやすさはどうでしょう。こんなところが足りない、こんなことがあったら行きやすい…という事があればお聞きしたいです。 (宇野先生の回答) ○来館する場合 読書バリアフリー法基本計画には「各館の特性や利用者のニーズに応じ、段差の解消や対面朗読室等の施設の整備、アクセシブルな書籍等の紹介コーナーの設置、拡大読書器等の読書支援機器の整備、点字による表示、ピクトグラム等を使ったわかりやすい表示、インターネットを活用した広報・情報提供体制の充実及び障がい者サービスの充実を図る取組を促進する。」と書かれています。アクセスについては、最寄りの交通機関から図書館の受付までの点字誘導ブロックが敷設されているかどうかも大事なポイントだと思います。また、個人的には「アクセシブルな書籍等の紹介コーナーの設置」がとても重要だと考えています。そして個々の障がい当事者の必要な媒体がはっきりしたら、サピエや国会図書館のデータ送信サービスを紹介したり、県内の他の図書館と連携しながら、図書館間の貸借を進め、より多くの本を貸し出せるような環境の整備が求められます。 ○来館しない場合 本の宅配や移動図書館等の工夫が考えられます。どんな本があるのかを障がい者が知るために、アクセシブルな形でネット上で検索できるような環境も望まれます。また、アクセシビリティについてはまだ発展途上の段階ですが、電子図書館も全国的には少しずつ増えてきています。障がい者も困難なく使えるような仕組みになれば、電子図書館も有効なツールになり得ると思います。 (パネリスト大道氏の回答) ○来館しない場合 サピエ図書館、国立国会図書館のサービスについての情報発信 (パネリスト齊藤氏の回答) ○来館する場合 窓口に困りごとコンシェルジェを配置 代筆 マルチメディアデイジー等の紹介とデモンストレーション ○来館しない場合 メルマガ、LINE等で、図書館の情報を流す 流行っている本の紹介コラム 貸出の簡易化(支援機器含む) (パネリスト遠藤氏の回答) ○来館する場合 席への誘導 サピエ等の検索代行 サピエ会員でない図書館でもサピエのデータが利用できる体制の整備 ○来館しない場合 郵送サービスの充実 サービスを知らない人への録音図書の利便性の周知 質問:県立図書館 福市さまへおたずねします。はーとふるサービスの取組に大変感銘を受けました。「訪問相談」の具体例につきましてお教えいただけましたら幸いです。本県市でも今後参考にして参りたいと思います。よろしくお願いいたします。 回答:県立図書館の「訪問相談」では、希望に応じて、県内市町村教育委員会、市町村立図書館、高等学校図書館、または、特別支援学校図書館に当館職員が訪問して、図書館の運営・管理などについての援助・相談・情報交換などを行っています。 訪問先では、 ・訪問先の利用実態の聴取 ・他館(校)の選書や取組の実践事例の紹介 ・サピエや国立国会図書館のデータ送信サービス活用への働きかけ   などを行います。(鳥取県立図書館) 質問:ライトハウス遠藤様へ質問です。取り組みについてお話されていた地元出版社との意見交換(テキストデータ提供)について、差支えなければ改めてもう少し詳しくお聞かせいただければ幸いです。 回答:テキストデータがあれば、音声パソコンで読むことができ、また、サピエにも、テキストデイジー方式ですぐにアップすることができるため、郷土関係資料などを出版する際に、テキストファイルを提供していただくことはできないかと相談を行いましたが、無償での提供は難しいとのことで、現時点でのテキストデータの提供が困難であることを確認しました。(鳥取県ライトハウス点字図書館)